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瓦礫の中の宝物

 震災直後からの女川町の一年間の記録の写真です。巨大な津波被害を受け、人口の10人に1人が亡くなり、町の7割が壊滅した私の故郷。

 

 震災から2週間後初めて町を訪れた時、全てが失われ灰色になった町でしたが、私には色が見えました。巨大な津波を生み出した海は、鮮やかな美しい海に見え、太陽に照らされた瓦礫はキラキラした宝石に見えました。人々が「瓦礫」と呼んだ残がいは、私たちの生活していた家や柱であり宝物でした。それらを私はとても愛おしく感じました。

 

 2006年に父によって撮影された1枚の写真があります。高台の神社から孫の姿と共に映し出された町の写真です。私にとっての故郷の原風景はこの1枚の写真の中です。もう戻る事はない「あの日」と「それから」。被害を受けた町を記録しておこうと写真を撮り始めました。(2011)

 

 

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