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THE RESTORATION WILL  

 

  2011年の津波により、私の町では827人の命が犠牲になりました。写真館を営んでいた私の両親は行方不明になりました。生活の場であり、仕事の場でもあった写真館の跡地には、父の使っていたレンズ、泥だらけになったポートフォリオ、私たちの家族写真などが残されていました。それらを両親からの遺言のように感じ、丁寧に拾い集めました。私は写真館の存在を強く感じ、なぜ写真館を繋がなかったのかと、この時初めて後悔しました。

 

  ある日、私は拾ったレンズで町の景色を撮ってみようと試みました。暗くぼんやりとして画像で、死者の世界を私に想像させます。父は死ぬことに悔いはなかったのだろうか、新しい町をどのように見ているのだろうか、写真家になろうとしている私をどう見ているのか。それらの疑問は私に写真を撮る理由を与えます。私にはこれらの写真を撮ることで、死界と現界がつながるように感じるし、二度と会えないであろう両親と対話しているような気持ちになれるのです。

 

  また、拾い集めた私の家族写真は津波のダメージを受けて白くなり、父が撮影した船大工の肖像画も画像の多くを失っています。それは町が受けた傷跡や私自身が負った心の傷に似ています。

 

  これらの写真の復元を試みることで、両親の遺志をつかみ取ろうとしています。